初めて着物を着てみようと思ったときに、着物以外にも必要なものが多いことに驚かれる方がいらっしゃいます。
着物は洋服とは違い、着物以外にも必要なものがたくさんあるからです。
ただ初心者の方にとっては何を用意すればいいのかわからないですよね。
そこで今回の記事では、着物を着る上で必要なものを初心者の方にもわかりやすいようにまとめてみました。
ぜひ着付けをするときの参考にしてみてください。
着物の着付け時に用意するもの
まずはじめに、着付けをするときに必要となるものをまとめました。
ここに出てくるものは、用意しないと着付けができないというほど重要なものばかりなので、漏れなくそろえておきましょう。
帯
まずは帯がないと着物は着れないので、かならず帯を用意しましょう。
また帯にもオーソドックスな名古屋帯をはじめ、袋帯や半幅帯などいくつか種類があります。
これら着付けの方法も異なるので、まずどれか一つをマスターしてから他のものもそろえるといいでしょう。
またこれから新しく買うという場合には、一番オーソドックスな名古屋帯がおすすめです。
また帯の値段はピンからキリまでありますが、はじめはあまり高価なものを買う必要はないでしょう。
帯板(おびいた)
帯の下にはめ込む板で、帯表面のハリを演出するためのものです。
基本的には前板と後板の2枚を使用します。
主にプラ製の板ですが、浴衣などでは通気性の良いメッシュタイプの帯板もあります。
また、板にベルトがついた形式のものもあり、ご自身で着付けをされる際はベルト付きの方が着付けがやりやすいですね。
一つ500円前後で購入することができます。
帯枕(おびまくら)
帯結びの土台を支えたり、形を整えたりするために使用するものです。
ガーゼで包んで使います。
細長い形や平らな形など様々な形状のものがありますが、細長い形が幅広い用途で末長く使用できるでしょう。
帯揚(おびあげ)
着物と帯の間にふんわりと結ぶことで、胸元を飾るものです。
また、帯枕を包んでガーゼを隠すとともに、帯と着物の間をつなぐ重要な役割も担っています。
通常の着付けの際には必ず必要な小物になります。
振袖以外の着物の場合は、一枚布で色や柄を自由に変えることができるので、コーディネートしやすい小物の一つです。
ただし、黒留袖や色留袖を格式高く着用する際は、帯揚は基本的には白色になるので注意してください。
また、帯枕を使用しない浴衣の着付けの際は帯揚は使用しません。
帯締とセットで販売されていることが多く、価格は数千円から数万円と幅広くなっています。
帯締(おびじめ)
胴に巻きつけた帯を最後に締めるものです。帯を結ぶ目的のほか、装飾的な役割も果たすため、上手な着こなしのポイントとなります。
帯締も着付けの際には必ず必要な小物になります。
帯締も帯揚と同様に着物の雰囲気を変えるためにコーディネートしやすい小物の一つとなります。
袖の短い着物では平組みという平たい帯締を使用することが多く、振袖では丸ぐけや組紐を使用することが多いですね。
また帯揚同様に、黒留袖や色留袖を格式高く着用する際には帯締めは白色か金銀になるので注意してください。
和装ブラジャー
着物を着るときはバストの形を整えるために、洋服のときにつける普通のブラジャーではなく、着物用の和装ブラジャーに取り替えます。
基本的にご用意いただいたほうが良いですが、胸の大きな方でどうしても締め付けが苦しいということであれば、代わりにタオルなどで代用しても構いません。
ただやはり和装ブラジャーを着用して胸の膨らみを抑えたほうが、仕上がりはきれいに見えるようになります。
お値段も3,000円前後なので、一つ準備しておくと良いでしょう。
補正パッド
着物を着るとき、ウエストに膨らみをもたせるために用います。
現代人の感覚としてはウエストを細く見せたいと考えるのが普通ですが、着物の世界では寸胴が基本であり、細すぎると着物を来たときにシワになってしまいます。
着物姿をきれいに仕上げるために、腰やお尻周りが細い人は補正パッドを使用することをおすすめします。
お値段は一つ3,000円前後です。
肌襦袢(はだじゅばん)・裾除け(すそよけ)
肌襦袢・裾除けとは、着物を着るとき用の肌着になります。
肌襦袢と裾除けが上下で分かれたものと、上下で一体型となったワンピース状のものがあり、最近はワンピース型のものが人気になりつつあります。
役割としては、着物を着ているときに汗を吸い込んでくれるので、着物を汚すことなく長持ちさせることができます。
またさらに暑さの厳しい夏場は肌襦袢の下に汗取り襦袢を着る人もいます。
これらは肌着ということもあって、綿素材で作られていることがほとんどなので、家庭で普通に洗濯することもできます。
価格はおよそ1,000円~3,000円になります。
長襦袢(ながじゅばん)
実は着物を着るとき肌襦袢の他にももう一枚長襦袢というものを着ます。
ただ肌襦袢は着物を来たときに外から見えることはないですが、長襦袢は特に衿の部分は外から見えることになります。
とくに衣紋の位置をきちんと整えないと、あとで着物を羽織ったときに窮屈すぎたり、ゆったりしすぎたりする印象を与えてしまいます。
また振袖の場合は袖の長さが違うといけないので、必ず着物と一緒に購入するようにしましょう。
また長襦袢は付け替え式の衿である、半衿(はんえり)を縫い付けて、衿芯(えりしん)を通す必要があります。
半衿は真っ白でもいいですが、最近は豪華な刺繍や色柄が入った半衿が人気です。
これらははじめから一緒についているものも多いですが、好みに合わせて別で購入するのもいいでしょう。
長襦袢もだいたい3,000円ほどで購入できます。
重ね衿(かさねえり)
半衿と着物の間に細くのぞかせて、衿元のアクセントとして一層華やかに演出するものです。
これは必ずつけなくてはいけない小物ではありませんが、 色や素材など様々な種類があり、衿元につけるだけで着物の印象をぐっと引き立ててくれます。
最近のものだとレースやスパンコールがついているものもあり、年々華やかさが増している印象です。
色留袖を礼装時に着用する場合は、白い重ね衿をつける必要があるので、すこしアクセントがほしいという方は一度確認しておくと良いでしょう。
金額はこちらもピンからキリまでありますが、3,000円ほどで十分なものを購入できるでしょう。
腰紐(こしひも)
着物を着る際には欠かせない小物で、5~6本程度必要になります。
着付けに後述のコーリンベルトやゴムベルトを使用する場合はそれよりも少なくて済む場合もありますので、こちらも着付けを依頼する人に確認しておくといいでしょう。
3本セットで500円~1,000円程度で購入することができます。
コーリンベルト
腰紐の代わりにコーリンベルトを着用することでも、襦袢の着崩れを防ぐことができます。
すべて腰紐だけで済ませるという方もいらっしゃいますが、手間がかかる割に着崩れしやすく、初心者向きでないので無理せず準備するのが良いでしょう。
伊達締め(だてじめ)
長襦袢と着物それぞれの着付けの仕上げに伊達締めをすることで、余分な生地を平らにおさめて、衿元を綺麗に整えることができます。
長襦袢を締めるのに1本と着物を締めるのみ1本の合計2本必要です。
また伊達締めの代わりにびょうじめというマジックテープのもので代用することも可能です。
正絹の伊達締めでも1,000円前後で購入することができます。
足袋(たび)
着物を着る際に必ず履くのが足袋になります。
様々なデザインの足袋がありますが、格式の高い式典に参加する際には白足袋を履くのが基本になります。
普段着としての着物でしたら、柄物の足袋はおしゃれなのでおすすめです。
留め具が4つのものと5つのものがあり、基本的にはどちらでも問題ありませんが、留め具が5つのものの方が格式が高いと言われています。
通常の白足袋であれば1,000円前後で購入できます。
急な雨などで汚れた時のために予備でもう一足あるとなお良しです。
着付けのときにあると便利なもの
続いて着物の着付けをする際にあると便利なものをご紹介します。
特に初心者のうちは慣れない着付けをスムーズに行うためにできる限り準備しておくようにしましょう。
衿止めクリップ
衿止めクリップは着付けをする際、着物と長襦袢がずれてしまわないように固定するのに使います。
たとえば洗濯バサミなどで代用しようとすると、生地を痛めてしまったりきちんと固定できなかったりしますので、自分で着付けをする人は用意しましょう。
また衿止めクリップには目盛りがついているものもありますので、衿幅などの長さを調整するときにもとても便利です。
数百円程度で購入できるものもあるので、余裕があれば揃えてもいいかもしれません。
三重ゴム紐・四重ゴム紐
主に振袖などで華やかに帯を結ぶ際に使用するのが三重・四重ゴム紐です。
これらを使用した結び方は着付けにある程度詳しくないと難しいため、美容師などのプロ着付け師さんに使用されることが多く、呉服屋さんなどで販売されています。
自分で何度か着付けをしていって、そろそろ上級者の帯締めにもチャレンジしたいというタイミングが来たら、揃えてもいいかもしれません。
値段は数百円から千円ちょっとという感じです。
裾除けストッキング
足袋を履く前にひざ下から足首にかけて着用するストッキングです。
冬場は寒さ対策として使用することができ、それ以外にも長襦袢の汚れを防いだり、裾さばきをよくするという効果もあります。
ネットで数百円で購入できるので、冬場に着物を着る機会がある人は購入を検討しても良いでしょう。
着物ハンガー
洋服のハンガーとは別に、着物には着物専用のハンガーがあります。
着物を着たあとの保存を通常のハンガーに掛けてしまっておくと、きれいな形が崩れてしまい、次に着るとき残念な形になってしまいます。
保存状態を良くして着物を長く着るためにも、専用のハンガーは用意してあげると良いでしょう。
保存袋
また着物をいくつか持つようになって、すべてを着物ハンガーに掛けておくと、あっという間にタンスの中がパンパンになってしまいます。
そのため季節柄着ることのない着物は、保存袋を用意しておくことで傷めずに保存することができます。
ただ保存袋にしまう前にきちんとクリーニングに出しておかないと、ダニやカビが繁殖してしまって着物がダメになってしまいます。
そのため予めクリーニングなどに出して、着物をきれいな状態にした上で片付けるようにしてください。
着物で外出するときに用意すべきもの
ここまでの内容で着物の着付けはできるようになりました。
続いては着物を着てお出かけするときに必要なものや、あると便利なものをまとめておきましょう。
草履・下駄
着物を購入する際にセットで買うことが多いですが、着物を着る人なら草履か下駄は一つあっても困らないでしょう。
黒留袖や色留袖を格式高く着る際には、草履も金銀のものを選ぶようにしましょう。
また草履や下駄で外出する際に注意して欲しいのが、鼻緒にあたる部分が擦れて出血してしまうことです。
できれば履き慣れたものや柔らかい鼻緒のものが好ましいですが、念のため絆創膏も持っていくことをお勧めします。
また雨の日に役立つのが草履カバーで、ワンタッチで装着することができ、透明なので着物の雰囲気を壊すことなく足袋を守ってくれます。
寒い雪の日には、体が冷えてしまわないよう草履に比べて歯が高い雪下駄をお勧めします。
和装バッグ・巾着
草履と同様に、着物とのコーディネートが楽しめる小物の一つです。
和装バッグは一般的なカバンに比べて容量が少ないので、荷物が多い人は注意が必要です。
中に入れる財布などは小さな小銭入れにした方がスッキリした印象で良いですが、あえてがま口財布にすると和の感じでまとまってそれも素敵です。
なお普段着として着物を着る際には巾着のようなバッグで良いですが、格式高く着る際にはバッグも草履同様に金銀が主になるものを選ぶとよいでしょう。
羽織もの・レインコート
冬場に着物を着るときはなるべく冬用のあたたかい着物を着用したいですが、それでも冷え込みがひどい日は羽織ものをあわせるようにしましょう。
着物でコートでは格好がつかないので、特に冬場に着る機会がある場合は、かならずあわせて用意しておくことをおすすめします。
また冬用の羽織ものと同様、雨の日に着物を着ることがあると思います。
そのために着物用のレインコートも用意しておきましょう。
通常イメージするレインコートと違い、着物の上からでも着やすく、また見た目も着物とよく似合うものがたくさんあります。
雨に濡れてしまうと着物も傷んでしまうので、かならず用意するようにしましょう。
髪飾り
最後になりますが、着物を着るときは髪飾りもあわせて準備しておきたいアイテムの一つです。
着物を着るときは髪型もおしゃれに整えると思いますが、それでも着物の華やかさに負けてしまうことがあります。
そのときにパッと目立つ髪飾りを用意しておくと、全体とのバランスが良くなるので、あわせて用意しておきましょう。
着物の用意するものリスト
項目 | 詳細 |
帯 | 着物を着付けるために必要な布 |
帯板 | 帯表面にハリを出すために使用する板 |
帯枕 | 帯の結び目の土台を整えるのに使用するもの |
帯揚 | 着物と帯の境目に結ぶ帯 |
帯締 | 帯を締めたあとに最後に締めるもので、飾りの役割もある |
和装ブラジャー | 着物を着るときにバストの形を整えるもの |
補正パッド | 着物を着るときにウエストの形を整えるもの |
肌襦袢・裾よけ | 着物を着るときの下着代わり |
長襦袢 | 肌襦袢の上に着る下着のようなもの |
重ね衿 | 長襦袢の衿につける |
腰紐 | 着付け時に使用する紐で数本使用する |
コーリンベルト | 腰紐の代わりに使用する |
伊達締め | 長襦袢と着物を着たときに使うもので基本的に2枚必要 |
足袋 | 靴下のような役割 |
衿止クリップ | 着付けのときに衿がずれないよう固定する |
三重ゴム紐・四重ゴム紐 | 華やかな帯結びをするときに使用する |
裾よけストッキング | 裾よけの下に着用するストッキング |
着物ハンガー | 着物専用のハンガー |
保存袋 | 着物をしまっておく袋 |
草履・下駄 | 靴のような役割 |
和装バッグ・巾着 | 着物を着るときのカバン代わり |
羽織もの・レインコート | アウター |
髪飾り | 着物を着てるとき付けるもの |
着物を着てお出かけしたいなら
着物の着付けの際に必要なものを一つ一つ紹介してきましたが、いかがでしたか?
着物の着付けにはたくさんの小物が必要なことがお分かりいただけたと思います。
そこで、これほど多くのものを用意するのは面倒だという方には着物のレンタル屋さんに足を運んでみてはいかがでしょうか。
着物レンタルあきでは、今回紹介させていただいたような肌着、草履、バッグなどの着付けに必要な小物を含む、全商品をフルセットでレンタルを行っておりますので、お気軽に手ぶらでご来店いただけます。
また、着物は多数の小物を組み合わせるため様々なコーディネートを、お客様のご要望や雰囲気に合わせてベテランスタッフがコーディネートしてくれます。
来店時は着付け師さんによる着付けも無料なので、是非ご興味のある方はお近くの店舗をお尋ねください。
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