街で着物姿の方を見かけると、ついつい着ている人に注目してしまうものです。
着物に憧れの感情を抱く方も多いのではないでしょうか?
着物は“立ち振る舞い”が美しいことで、より一層着物の存在が引き立つものです。
ただ、普段から着物に慣れていないと、戸惑ってしまいぎこちない振る舞いになってしまうものです。
洋服と勝手が違い動きにくいと感じることも多いでしょう。
そこで、今回は着物初心者の方にこれだけは知っておくべき・押さえておくべき「着物のマナー」をまとめました。
●立ち振る舞い
<基本姿勢>
頭の先から糸で吊られているように、背筋をピンと伸ばします。
つま先が開かないよう、体の中心に力を入れて内股気味に立ちます。
両腕は前で自然に重ねます。
手を上げる時は、二の腕が見えないよう肩より下で袖口を押さえます。
<おじぎ>
あまり深々とおじぎをすると、着くずれが心配になります。
背中を丸めないであごを引いて腰を折るようにします。
<歩く時>
背筋を伸ばし、小またで足をまっすぐ運ぶようにして歩きます。
履物を引きずったり、大きな音を立てたりしないように注意します。
荷物はできるだけ左手で持ち、右手は上前に添えてます。
歩き方については下記のサイト情報も参考になります。
参照元:「着物美人の歩き方」
● 着物に合わせて歩幅は狭く
着物を着ると裾まわりに合わせて自然に歩幅が狭まり、内股ぎみになります。また、大股で歩くと裾が乱れるため、必然的に静々と歩くようになるでしょう。むしろ、大股や外股で歩こうとすると不自然なのです。帯のお蔭で背筋も伸びますから、美しい姿勢で歩けるはずです。● 手に気を配る
それから手も大切です。もちろん大手を振って歩いてはいけませんが、歩幅を狭く静々と歩いていれば手を振ることもありません。だからといってだらんと垂らさず、軽く肘を曲げてほんの少し袖の中に引っ込めるようにするとたおやかです。着慣れないうちは、この右手で上前をおさえながら歩くと安心です。
● 上前をおさえると安心
さらに、右手で上前を軽くおさえながら歩いてみてください(右の太ももの脇あたりです)。外を歩くときはバッグなどの荷物がありますから、荷物は左手で持ち、右手をさりげなく上前にそえて歩くようにするのです。すると、少々急ぎ足で歩いたり風が吹いたりしても裾がめくれ上がることもなく安心ですし、上前にそえた右手が奥ゆかしく映ります。つまり、最初に着物で歩いたときに感じた歩幅や足の動きを気に留めておけば、自然と美しく歩けるんですね。気にしなくなったとたん、いつものクセが出てしまいますよ。上前を手で押さえることはそこに気を置くことにもなるため、着慣れないうちは特に効果的です。
<階段を上る時・降りる時>
参照元:blog.livedoor.jp
右手で軽くたてづまを持ち上げます。
体の向きを階段に対して少し斜めにすると歩きやすくなります。
<車に乗る時・降りる時>
参照元:www.occn.zaq.ne.jp
荷物を入れます。着物の裾が乱れないように気を付けながら、右手で立褄を軽く持ち上げ、お尻から入るように座席に腰をおろします。次に、両足を揃えて地面から離し、片手で袖を持ち、もう片方の手で上前を押さえながら身体を回転させて足を入れます。両足を揃えて地面から離し、片手で袖を持ち、もう片方の手で上前を押さえながら身体を回転させて足を入れます。車内では帯をつぶさないように浅く座ります。降りる時は逆の手順になります。
<食事をする時>
参照元:jp.pinterest.com
食事をするテーブルの位置を確認し、帯とテーブルの間をこぶし1つ分空けるように座ります。食事中にグラスなどを取る場合は、片方の袖口を押さえるようにします。
<手をあげる時>
参照元:www.chiyoda-furisode.jp
携帯電話をかけるとき、電車のつり革に掴まるとき、タクシーを呼ぶときなど、手を上げる場合は、片方の袖口を押さえるようにすると、美しい所作に見えます。
<履物を脱ぐ時>
つま先を浮かせ、片足ずつかかと側に滑らせながら、足を草履の前緒から外して両足を揃えます。
身体をやや斜めに向けて立ち上がり、向き直って跪きます。
左手で右の袂を押さえ、履き物を揃えます。
<履き物を履く時>
上前を少しあげて、片足ずつ履の前緒に滑り込ませます。
<和室での挨拶>
客間に通されたら下座で待ちます。
第一にあいさつをします。
座布団には、相手に勧められてから座ります。その際、座布団の横か後ろに正座し、次に手を軽く握って座布団の中央近くにつき、膝で移動してから座るようにします。
座布団や畳のへりを足で踏むのは失礼にあたります。
座った状態でのあいさつは、両手を膝の前に揃えてついて、両手で三角を作るように頭を下げます。
<手土産の渡し方>
風呂敷から取り出して品物の正面を相手に向け、両手を添えて差し出します。
<茶菓のいただき方>
「頂戴します」と一言添えてから、まずは軽く一口頂きます。このとき、必ず逆の手も添えるようにします。
お茶を頂く際も、左手で茶碗を持ち、右手を添えて頂きます。
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●身なり
<ピアス・イヤリング>
ピアスやイヤリング等はつけません。ごちゃごちゃしすぎてしまうのでバランスも悪く、和装と合わせるアクセサリーは「かんざし」やヘアアクセサリー等、髪につける小物が一般的です。パール系アクセサリーは着物にも良く合います。
<アクセサリー>
ネックレス・ブレスレット・時計 等の装飾品も、基本的に合わせません。
<指輪>
基本的には、既婚者・婚約者の左薬指以外はしません。着物にひっかけたりする危険がありますので、しぐさには充分注意をしなければなりません。
下記も参考になります。
『着物(きもの)外出時マナー❖日本通TV』
立ち姿、食事マナー、歩き方、トイレに入るとき、階段を昇り方降り方、車への乗り方、いすへの座り方、落ちた物の拾い方、携帯電話の入れ場所など
「着物のマナー」として、“上品な仕草を心掛けること”がポイントになるでしょう。